米財務省、円相場への介入準備を銀行に通知 7月31日時点で実取引は未確認

米財務省がニューヨーク連銀を通じ、複数の銀行に対して円市場へ介入する可能性に備えるよう通知したことが7月31日、関係者の話で明らかになった。日本当局が前日に大規模な円買いを行ったとの観測に続く動きで、日米協調への警戒から円相場は大きく上昇した。

通知は、取引を直ちに始めたことを意味しない。米財務省が使用する勘定、金額、仲介銀行などは示されず、7月31日夜の時点で米国による実際の円買いは確認されていなかった。確定しているのは、銀行に準備を求めたことと、米当局が円の急落を政策上の問題として扱い始めたことである。

円は7月30日に一時、1ドル=163.65円まで下落した。通知が伝わると159円台まで戻り、取引参加者は、日本単独ではなく米国も買い手になる可能性を織り込み始めた。為替介入は実際の売買額だけでなく、「次に誰が、どの規模で動くか」という期待を通じても相場に影響する。

スコット・ベッセント米財務長官は円が著しく過小評価されているとの見方を示し、日米協調が続いていると説明した。日本の三村淳財務官は個別の取引についてコメントを避けながら、米国の支援は心理的なものにとどまらないと述べた。また、当局が銀行に相場水準を尋ねるレートチェックにも言及した。

米国が円相場のために直接動いた前例としては、2011年の東日本大震災後にG7が実施した協調介入がある。ただし当時は急激な円高を抑える円売りで、今回は方向が逆になる。米国が円買いに加われば、日本単独の介入よりも市場へのメッセージは強くなる。

このニュースは後に新たな事実が加わり得るが、本稿の事実基準日は7月31日である。同日時点では「準備の通知」と「実取引」は分けて扱う必要がある。次の確認点は、米財務省またはニューヨーク連銀の説明、財務省の介入統計、日米当局が継続的な枠組みを示すかどうかだ。

米国が準備段階に加わることは、介入の資金規模以上に政策シグナルとして重い。単独行動と比べ、日米当局が同じ問題認識を持つと市場が判断すれば、円売りを続ける取引のリスクは高まる。ただし、協調を示す発言と実際の売買は区別しなければならない。7月31日の事実として確認できるのは銀行への連絡までであり、その後の取引報道を遡って当日の記事に混ぜないことが必要だ。

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