「ワンオペ育児」を終えるには 厚労省の「共育プロジェクト」が家庭と職場の分担を問う

「ワンオペ育児からの脱却」をテーマとするオンライン企画が7月31日夜に開かれ、子育て中の家庭、出産を控えた夫婦、企業人事の担当者らを対象に、夫婦の対話、家事分担、育児分担、女性就業の継続が話し合われた。単発の催しではあるが、国の子育て支援の言葉が変わりつつあることを映している。

厚生労働省は2025年度から「共育プロジェクト」を進めている。従来の「イクメンプロジェクト」は、男性育児休業の取得を広げる役割を果たした。新しい枠組みは、休業を取ったかどうかだけでなく、日々の家事と育児を誰が担い、職場がそれを可能にしているかを問う。

男性育児休業の取得率が上がっても、家庭内の負担が自動的に均等になるわけではない。短期間だけ休むケースや、休業中も夜間の世話、送迎、食事、家族の予定管理を配偶者が担うケースがある。共働き世帯では、目に見えにくい調整作業が一人に集中すると、復職後の勤務継続や昇進に影響する。

夫婦の対話は必要だが、それだけでワンオペ育児は解消しない。長時間労働、急な残業、転勤、会議時間の固定といった職場制度が変わらなければ、家庭で決めた分担を続けることは難しい。企業人事には、育児を女性だけの事情ではなく、男女の従業員が共通して直面する仕事と家庭の問題として扱うことが求められる。

制度を利用しやすい雰囲気も重要だ。育児休業を取った男性が評価で不利になる、管理職が制度を理解していない、代替要員が用意されないといった状況では、取得率だけを上げても現場の負担は移動するだけになる。

今後は、共育プロジェクトが啓発から企業の実務へ進めるかが焦点となる。家事・育児の可視化、管理職研修、柔軟な勤務設計、育児期の評価制度を組み合わせ、家庭と職場の双方で負担の偏りを減らす必要がある。

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