国立新美術館は7月31日、「ピカソ meets ポール・スミス」のファミリーウィークを始めた。8月6日まで、午前中に「おしゃべり鑑賞タイム」を設け、子どもや親子来場者が展示室で会話しながら作品を見られるようにする。ワークショップや家族向けプログラムも行う。
美術館の展示室では静かに鑑賞することが一般的なマナーとされる。幼い子どもは気づいたことを声に出し、保護者に質問するため、家族が周囲への迷惑を心配して来館を控えることがある。おしゃべり鑑賞タイムは秩序をなくすのではなく、会話できる時間をあらかじめ明示することで心理的な負担を下げる。
展覧会は、英国のデザイナー、ポール・スミスがパリ国立ピカソ美術館の所蔵品を新たな空間で構成するものだ。色彩、壁紙、日用品を使い、ピカソの遊び心や制作環境を見せる。ファミリーウィークは、その遊びの要素を鑑賞方法にも広げる。
7月29日から31日には高校生無料観覧日も設けられた。料金を下げることは入口を広げるが、美術教育には、分からないと言えること、未完成な感想を話せること、他者の見方を聞けることも必要になる。
展示室のルールを時間帯によって変える試みは、観客に一つの行動様式だけを求めない美術館運営につながる。静かに一人で見たい人の時間と、対話しながら見たい人の時間を分ければ、両方を守ることができる。
今後は、おしゃべり鑑賞タイムや家族向け支援が特別期間だけでなく、他の展覧会にも広がるかが注目される。