終戦から81年を迎えた15日の全国戦没者追悼式で、高市早苗首相は式辞で「反省」という言葉を使わず、「不戦の誓い」を強調した。一方、首相は就任後初めて靖国神社への参拝を見送り、日本武道館の駐車場から「遥拝」した。この対応に、保守層からは距離を置く姿勢への警戒感が出る一方、外交面を考慮した判断との見方も出て、賛否が分かれている。
## 首相の式辞、安倍カラー
高市首相は15日、日本武道館で開かれた全国戦没者追悼式に参列し、式辞で「戦争の惨禍を再び繰り返してはならない」「不戦の誓い」などを述べた。歴代首相が用いてきた「反省」という言葉は使わず、安倍晋三元首相の式辞に近い「安倍カラー」と指摘する声もある。
一方、追悼式に先立って、小泉進次郎防衛相ら4閣僚が靖国神社を参拝した。現職閣僚が終戦の日に参拝するのは7年連続となる。高市首相は参拝を見送り、追悼式の会場から500メートルほど離れた靖国神社の方角に向かって神道形式の「二礼二拍手一礼」の遥拝を行った。政府関係者は「靖国神社に向かって遥拝したもの」と説明している。
## 自民党四役、全員が参拝
自民党は鈴木俊一幹事長、有村治子総務会長、西村康稔選挙対策委員長が15日に参拝。地元・千葉県の大雨被害への対応を優先して見送った小林鷹之政調会長も、16日朝に参拝し、終戦の日と合わせて「党四役」全員が参拝したことになる。小林氏は参拝後、「遺族の1人として心静かに参拝した。国を守ること、国民の命と暮らしを守り抜くことに対して誓いを新たにした」と述べた。
参拝に対し、中国外務省は「戦後の国際秩序への挑発」と強く非難し、韓国も抗議した。首相の遥拝をめぐっては、保守層の間で「なぜ直接参拝しないのか」と不満の声が出る一方、外交面での軋轢を避ける狙いがあるとの見方も出ている。靖国神社には東京裁判で「A級戦犯」とされた14人が合祀されており、閣僚らの参拝は毎年中韓から批判されている。
## 出典
– 朝日新聞「自民・小林政調会長が靖国参拝 終戦の日と合わせ『党四役』全員に」 https://www.asahi.com/articles/ASV8H7RTSV8HUTFK001M.html
– 時事通信「自民・小林氏が靖国参拝」 https://www.jiji.com/jc/article?k=2026081600105&g=pol
– 朝日新聞「はるか遠い国からの遥拝」 https://www.asahi.com/articles/DA3S16527499.html
– 日経新聞「靖国参拝、自民党幹部が『代役』 高市首相は見送り武道館から遥拝」 https://www.nikkei.com/