円買い介入は最大8.2兆円規模か 日銀の資金需給から市場が推計、確定額は8月公表

7月末に行われたとみられる円買い介入の規模について、市場では最大8.2兆円との推計が出ている。日本銀行が7月31日に示した翌営業日の資金需給予想が、証券会社による通常の見通しから大きく下振れしたためだ。円買い・ドル売りの為替介入は市場から円資金を吸収するため、決済日に現れる異常な資金変動が推計に使われる。

日銀の資金需給予想では8.2兆円の資金不足が示された。民間各社の予想には1兆円台の幅があり、差額をどこまで介入とみなすかによって推計値は変わる。したがって、8.2兆円は介入額の確定値ではなく、あくまで上限に近い市場推計である。

円相場は7月30日の海外市場で一時、1ドル=164円近くまで下落した。その後は急速に円高方向へ動き、日本当局が円買い介入を実施したとの観測が強まった。輸入する原油や食料の価格が高い中、円安は家計と企業の支払いを押し上げるため、財務省は過度な変動への警戒を繰り返してきた。

財務省は外国為替平衡操作の総額を月ごとに公表し、実施日、金額、売買通貨などの詳細を四半期ごとに示す。7月31日に公表された月次資料の対象期間は今回の取引日を含まず、正式な数字は8月28日の公表を待つ必要がある。市場推計と政府統計を混同しないことが重要だ。

仮に8.2兆円に近い規模であれば、一日の介入としては極めて大きい。外貨準備を使う介入は、短期的に投機の流れを変え、急激な値動きを抑える効果がある。一方、日米の金利差、エネルギー輸入、企業の海外投資といった円相場の基礎要因まで単独で変えることはできない。

今回は日本銀行が物価上振れへの警戒を強めた時期と重なる。為替介入は財務省、金融政策は日銀の権限だが、市場は両者を一体の政策シグナルとして受け止める。次の焦点は、8月28日に公表される正式額と、円安が再び進んだ場合に当局が追加の為替介入を行うかである。

資金需給からの推計には、決済日が休日をまたぐ場合や、国債発行、税収、通常の財政資金などが混ざるため誤差がある。市場参加者は複数の予測との差を使って介入分を切り分けるが、財務省の公式発表までは確定できない。推計額が大きいほど注目される一方、為替相場への効果は金額だけでなく、実施のタイミングと各国当局のメッセージにも左右される。

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