第6次環境基本計画を点検 脱炭素だけでなく「ウェルビーイング」をどう測るか

環境省の中央環境審議会総合政策部会は7月31日、第6次環境基本計画の進捗点検を議題に会合を開いた。同計画は環境基本法に基づき、2024年5月に閣議決定された。毎年度、施策の実施状況を確認し、必要に応じて政府の取り組みを見直す。

第6次環境基本計画の特徴は、環境政策の最上位目標に「ウェルビーイング」を置いた点にある。脱炭素、循環経済、自然共生を進めるだけでなく、それが健康、雇用、地域経済、暮らしの安全を改善したかを問う。排出量を減らしても、負担が特定の家庭や地域に集中すれば、政策の成果は十分とはいえない。

この考え方は、政策評価を難しくする。温室効果ガス、廃棄物量、保全面積は数値で追いやすいが、住民が暮らしやすくなったか、地域産業が転換の利益を得たか、エネルギー費用が公平に分担されたかは、複数の指標と長期的な調査が必要になる。

総合政策部会の進捗点検では、事業を始めたかだけでなく、政策同士が相乗効果を生んでいるかを見る必要がある。断熱住宅は脱炭素、健康、家計負担に同時に影響する。自然再生は生物多様性だけでなく、防災、観光、農林業にも関係する。縦割りの達成率だけでは全体像を捉えられない。

一方、ウェルビーイングという幅広い言葉が、具体的な未達を隠す便利な表現にならないよう注意が必要だ。評価方法、基準年、対象地域を公開し、計画から遅れた施策には是正策を示さなければならない。

今後は、環境省が公表する点検結果で、どの指標を採用し、地方自治体や住民のデータをどう反映するかが焦点となる。第6次環境基本計画が政府全体の判断を変えるには、進捗点検が説明だけでなく予算と施策の修正につながる必要がある。

政策評価を実効的なものにするには、ウェルビーイングを抽象語のままにせず、地域別・所得別に成果と負担を示す必要がある。

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