国旗損壊処罰法が施行 「著しく不快」な方法での損壊に拘禁刑2年以下

国旗を損壊した場合に罰則を科す「国旗損壊処罰法」が14日、施行された。「人に著しく不快または嫌悪の情を催させるような方法」で公然と国旗を損壊したり、国旗を傷つける様子をライブ配信したりした場合、2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金が科される。国会審議で指摘された処罰対象の線引きのあいまいさや表現の自由を侵害するおそれなど、多くの懸念が残ったまま運用が始まった。

## 高市首相肝いりの政策、7月に成立

同法は高市早苗首相(自民党総裁)の肝いりの政策で、自民党と日本維新の会の連立合意書に盛り込まれている。先の特別国会に議員立法で提案され、7月17日の参院本会議で自民、維新、国民民主党、参政党の賛成多数で可決、成立した。

国会審議では野党から「『不快』や『嫌悪』は主観的な感情であり、処罰対象があいまい」「立法事実がない」といった批判が相次いだ。参考人として意見を述べた憲法学者は、憲法が保障する表現の自由や思想信条の自由を侵害するおそれがあるとして、「違憲」の可能性を指摘した。

## 学者らが反対声明、警察の運用にも苦慮

同法をめぐっては、全国の刑事法学者148人が「『不快』を処罰の根拠とするのは危険で、重大な疑義がある」として反対する声明を出したほか、全国の憲法研究者199人も速やかな廃止を求める声明を発表している。

警察庁は法案成立後、全国の警察本部に適切な法運用を求める通達を発出した。処罰の判断は行為の様子や状況、客観的な事情を総合的に勘案するとされるが、現場からは「対応してもしなくても批判の対象になる」との声も聞かれる。要件のあいまいさから「恣意的な運用にならざるを得ない」との指摘もあり、今後の摘発事例や運用状況が注目される。

## 出典

– 朝日新聞「国旗損壊処罰法がきょう施行 表現の自由侵害など懸念残ったまま」 https://www.asahi.com/articles/ASV8D3FVYV8DULFA015M.html
– 時事通信「国旗損壊、難しい取り締まり 『やってもやらなくても批判』―通達ににじむ苦慮・警察当局」 https://www.jiji.com/jc/article?k=2026081200609&g=pol