コンラッド名古屋が7月31日、名古屋市中区錦三丁目の複合施設「ザ・ランドマーク名古屋栄」に開業した。高層階に170室を設け、レストラン、ルーフトップバー、宴会場、会議室、スパ、屋内プールを備える。ヒルトンの高級ブランド「コンラッド」としては日本で新たな拠点となる。
開業は一つのホテルの新設にとどまらない。栄地区は名古屋の商業と夜間消費の中心だが、近年の大規模オフィス、ホテル、観光投資は名古屋駅周辺に集まる傾向があった。ザ・ランドマーク名古屋栄は宿泊、商業、娯楽を組み合わせ、都心東側への人の流れを強める狙いがある。
コンラッド名古屋は、国際旅行者、企業の会合、婚礼、地元の飲食需要を対象とする。ルーフトップバーは眺望を商品にし、宴会場と会議室はMICE需要を取り込む。高級ホテルは宿泊施設であると同時に、都市のブランドと交流機能を支えるインフラでもある。
一方、都市再開発の効果を新築ビルや客室単価だけで評価することはできない。宿泊客が周辺の商店、文化施設、公共交通を利用し、街路を歩く時間が増えるかが重要だ。施設内で消費が完結すれば、地域への波及は限定される。
名古屋駅と栄地区の役割分担も注目点となる。駅周辺は新幹線とビジネス需要に強く、栄は百貨店、飲食、文化、夜間活動を持つ。高級ホテルが両地区の競争を激化させるだけでなく、都市全体の滞在を長くできるかが問われる。
開業後は、国際旅行者の比率、宴会・飲食利用、周辺の歩行者数、既存ホテルとの客層の変化を追う必要がある。